結城紬の風合いは糸から②
「糊付け」された「手つむぎ糸」。
なぜ「糊」を付けなければいけないのか、と言いますと「手つむぎ糸」は撚りが無いために毛羽が立ちます。
その毛羽を寝せるための工夫なのです。しかしながら、「糊」を付ければスムーズに織り上げられる、というわけでもありません。
糊を強く付ければ切れやすくなったり、緯糸の打ち込みに影響が出たり、甘くなれば経糸の上下の糸が交差する際に絡み合ったり。
いい按排に糊を付けるには、長年の経験が何より大切なのです。
そして、織りあがった反物の「糊抜き」「湯通し」をすることによって、撚りのない1本1本の糸の中に「空気」が入り込み、保温性の高い温もりのある布になっていくのです。
この布が、「軽く」て「温かく」「着崩れしにくい」着心地になっていくのです。
2013年1月7日