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たたき染め

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5月になって、だんだんと暖かくなってきましたね。

むしろ昨日は「暑かった」というのが結城地方でした。

そんな中、産地に研修に来たお客様をご案内しながら、大久保染店さんへお邪魔しました。

写真は、大久保さんが「たたき染」をしている瞬間の写真です。

本場結城紬の中でも濃い地色に柄を施す時は、図案(デザイン)から1箇所1箇所、糸を束ねたもの(糸100~200本)に「墨付け」をしてから、そこを1箇所1箇所綿糸で括ります(「絞り」と同じ要領で地色の染料が染まらないようにするためです)。熟練した職人でも1日1,000箇所、図案(デザイン)によっては100,000箇所以上も括るものがあります。

括り終わった糸を染め屋さんに持ち込み、地色の染料を染色してもらう時にこの技法を使うのです。浸染(しんぜん)だけでは、綿糸で括った箇所と箇所の間に地色の染料が浸み込んでいかないのです。

そこで、棒の先に染め上げた糸を紐で括り、下の台に叩きつけるのです。数㎜の間に染料を浸みこませるにはこの方法が良いとされてきたのです。叩く回数は、色によって、あるいは誰が括ったかによって違いがあります。だから、括る職人さんと染める職人さんとの連携、というより深~い絆によって、精緻できれいな絣が出来上がるのです。

2013年5月16日

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