8/1 糸つむぎのMお婆さん
いつも糸を持ってきていただくMお婆さん。御年88歳。
暑いときも寒い時も、つむいだ糸を20分くらいかけて歩いて持ってくる。
不躾ではあるが、こんなことを尋ねてみた。
「Mさんは、いつから糸とり(糸つむぎ)してるの?」
すると、「私は子供のころからだよ」と。なぜ、子供のころからなのか?
聞くところによると、Mお婆さんの母親も糸をつむいでいたそうで、母の姿を見ているうちに「糸つむぎ」がしたくなったそうだ。母親には、「触るな!」と一喝されても、ついつい真綿から糸をつむいでしまったそうだ。
母親が呆れたのか、「それなら、やってみろ」と。
Mお婆さんが取った糸は、反物を織る機屋さんに実に評判が良かったらしい。以来、Mお婆さんは糸をとって70年以上?「昔みたいに良い糸は取れなくなったけどね」と笑いながら話してくれる。
2014年8月1日