製作過程

TOP>龍田屋だより>製作過程

9/11 たたき染

たたき染

絣を染めるこの技法も、結城紬ならではの技法ではないでしょうか?

「絣括り」が終わると、染屋さんにバトンタッチ!

染料に浸けた後に、棒の先に紐で括り、上から振り下ろしている瞬間です。

染屋さんは、「誰が括ったものなのか」が分かっていないといけません。

それは人によって、括る強さが違うために叩く回数が変わるのです。

括りの強い人は多めに。弱い人は少なめに。染める色や誰が括ったものなのかを確認してから染めるのも、長年の経験からしかできないものなのです。

7/30 掛け糸かけ

_MG_5535 DSC_0101                            地機は、経糸の上下の糸を交差させるための方法として「掛け糸」を使用します。経糸の上下する半分の糸に、1本1本カタン糸(コットンの訛りだそうです)すなわち綿糸を掛けていくのです。1,360本の半分ですから680本ですね。

これが、写真の地機織のように、右足を引くと上に上がり、戻すと下がるという仕組みになっているのです。

「手つむぎ糸」は交差する時に糸の毛羽が絡み合うので織り難く、人間が目で確認しながらでないと織れません。

たたき染め

DSC_0046

5月になって、だんだんと暖かくなってきましたね。

むしろ昨日は「暑かった」というのが結城地方でした。

そんな中、産地に研修に来たお客様をご案内しながら、大久保染店さんへお邪魔しました。

写真は、大久保さんが「たたき染」をしている瞬間の写真です。

本場結城紬の中でも濃い地色に柄を施す時は、図案(デザイン)から1箇所1箇所、糸を束ねたもの(糸100~200本)に「墨付け」をしてから、そこを1箇所1箇所綿糸で括ります(「絞り」と同じ要領で地色の染料が染まらないようにするためです)。熟練した職人でも1日1,000箇所、図案(デザイン)によっては100,000箇所以上も括るものがあります。

括り終わった糸を染め屋さんに持ち込み、地色の染料を染色してもらう時にこの技法を使うのです。浸染(しんぜん)だけでは、綿糸で括った箇所と箇所の間に地色の染料が浸み込んでいかないのです。

そこで、棒の先に染め上げた糸を紐で括り、下の台に叩きつけるのです。数㎜の間に染料を浸みこませるにはこの方法が良いとされてきたのです。叩く回数は、色によって、あるいは誰が括ったかによって違いがあります。だから、括る職人さんと染める職人さんとの連携、というより深~い絆によって、精緻できれいな絣が出来上がるのです。

糸を筬(おさ)に通す

本場結城紬の経(たて)糸は通常1360本の糸が必要となります。
(注意:着尺の場合、これ以下の本数では検査を受検することはできません)

これを、上下の糸1本づつを1対として、680組の糸を「やはつ」という道具を使って筬に通していくのです。

以前は、「筬」という名の通り「竹」で出来ていたものを使っておりましたが、この道具を作る職人が皆無なのです。

現在これに代わりステンレスの筬が使用されていますが、これからは他の道具も大切にしていかねばなりません。

DSC_0453

結城紬の風合いは糸から②

「糊付け」された「手つむぎ糸」。

なぜ「糊」を付けなければいけないのか、と言いますと「手つむぎ糸」は撚りが無いために毛羽が立ちます。

その毛羽を寝せるための工夫なのです。しかしながら、「糊」を付ければスムーズに織り上げられる、というわけでもありません。

糊を強く付ければ切れやすくなったり、緯糸の打ち込みに影響が出たり、甘くなれば経糸の上下の糸が交差する際に絡み合ったり。

いい按排に糊を付けるには、長年の経験が何より大切なのです。

そして、織りあがった反物の「糊抜き」「湯通し」をすることによって、撚りのない1本1本の糸の中に「空気」が入り込み、保温性の高い温もりのある布になっていくのです。

この布が、「軽く」て「温かく」「着崩れしにくい」着心地になっていくのです。

古い記事を読む >>

Page Topへ↑