結城紬の風合いは糸から ①
結城紬の着心地は?お召しになられた方がほとんど同じことをおっしゃるのです。
①温かい②軽い③着崩れがしない…….と。
何故かというと、繭から糸になるまでの過程が違うのです。
絹糸と言っても、いろんな種類の糸があります。
生糸・座繰糸・真綿手紡糸・手つむぎ糸などなど。
a.繭から糸にする方法(生糸・座繰糸) b.繭を真綿にしてから糸にする方法
bにも、イ).弱い撚りを掛けたものロ).撚りの殆ど掛からないもの。
本場結城紬の糸は、b-ロ)なのです。
糸にするまでの手間と、糸にしてからそれを扱う熟練の技術によって布に織り上げられるのです。
写真は、真綿から指先で糸をつむぎだす「手つむぎ糸」です。
この時に、蚕が吐き出す数十本の繊維を一時的に唾液で1本の状態に固めていくのです。この時、撚りは掛けていません。
ですから、制作過程のなかで糸が毛羽立つことが多々あります。この毛羽立ちを抑えるのが糊の役目です。
「糊付け」の技術も長年の経験に左右され、織り易くもなり、織り難くなることもあるのです。
こんな過程を経て………..織りあがります。 <つづく>